ラオス南部にある児童館でのボランティアをする中で、「何もない」と言われた村に広がる豊かな山々や花々の綺麗さ、その中で笑いあう子供たちの姿に魅せられ、植物をはじめとする自然の面白さや魅力を、精油という植物の香りを通して子供たちと一緒に学び合いたい。それが原体験になっています。 scent letter ではただ蒸留体験をしたりアロマクラフトを作って終わりでは意味がないと思っています。なぜなら私たちは、香りを表現方法の一つだと捉え、正解のない、言葉を超えた相互理解の方法として香りが役立ってくれると考えているからです。 香りを使ったワークをする中で、普段はシャイな子が見せてくれたハキハキとした表情に担任の先生と驚きあったり、あえて苦手な香りを取り入れて調香しようと工夫し合うチームワークの素晴らしさに、【世の中に溢れる良い香り】って一体なんだ?と大人達がハッとする経験がありました。 植物の香りが、国籍や性別、年齢に囚われず、他者との感性の違いを認め合うことができるものだからこそ、香育のワークではお互いが安心して発言し、意見を尊重し合う場が生まれるのだと思います。 自由な表現が可能な場で見つけた新たな自分の一面や心地の良い香りが、疲れた時、頑張った時、不安な時…。心の中で巻き起こる色々な感情に、そっと寄り添ってくれることを願っています。